聞こえについて

どうして聞こえにくくなるの

聞こえにくいというのは、自分ではあまり認めたくないものですよね。「どうして自分だけが…」「まさか、そんなはずはない」など、抵抗を感じる方もいると思います。でも、聞こえにくくなるのは決して特別なことではありません。
聞こえにくくなった原因がわかれば、聞こえるようになるための適切な対処もできます。ここで、聴力の低下について少しご説明しましょう。

音の聞こえ方の変化

音の聞こえ方の変化グラフ

加齢による聴力の低下は誰にでも起こりうる現象で、病気ではありません。聴力が低下しはじめる時期は人によって異なり、その程度も個人によって大きな差があります。
加齢による難聴の場合、まず高音域から聞こえにくくなり、左右の聴力が同じレベルで低下していくのが特徴です。しかし「あ、い、う、え、お」といった、比較的周波数の低い母音を聞き取る力はそれほど低下しないので、自分ではあまり聞こえにくいという感じがしません。そのため、本人よりもまわりの人が先に気づく場合が多いのです。

難聴には大きく分けて3種類あります。

伝音難聴

中耳炎や鼓膜の損傷などによる、外耳から中耳にかけての障害が原因です。 医学的な治療が可能とされています。

感音難聴

内耳以降の感音器の障害が原因です。加齢とともに聞こえにくくなったり、また薬物や長時間騒音下にいることによる聴覚障害です。一般的に医学的な治療による聴力の改善は困難とされています。

混合性難聴

感音性難聴と伝音性難聴の両方の症状がみられます。  

※詳しくは、耳鼻科で診察を受けてください。

難聴には大きく分けて3種類あります。

難聴かな?と思ったら、「聞こえ」について考えてみませんか。

こんなこと、ありませんか?1つでも当てはまるものがあれば、難聴の可能性が考えられます。

[聞こえの自己診断]
聴覚(聴覚障害)の程度分類と補聴器の必要性

会話中に相手の話を聞き返すことがある。

小声やささやき声が聞き取りにくい。

聴覚(聴覚障害)の程度分類と補聴器の必要性

軽度難聴
聞き返しが多い

普段の生活で聞き間違えによるトラブルや仕事に支障がある方は、補聴器の使用を検討されてみてはいかがでしょう。

テレビやラジオの音量が大きいと家族によく指摘される。

会話が聞き取れず、あいまいに相づちを打つことがある。

自分の後ろでの会話に気づかないことがある。

中等度難聴
大きめの声でなければ聞こえない

聞こえが気になりコミュニケーションが上手くいかないと、精神的にストレスが溜まりご家族にも負担がかかります。

会話の中で相手の声がよく聞き取れない

病院や銀行などで名前を呼ばれても、気づかない時がある。

大声での会話や耳元で話してもらわないと聞き取れない

高度難聴
耳もとで大きな声で話さないと聞こえない

日常生活で聞き取ることが困難な状況になり、周囲の人たちと疎遠になってしまう前に、補聴器の使用をおすすめします。

正面から大声で話しかけられても聞こえない時がある。

目の前の電話の呼び出し音が聞こえない時がある。

重度難聴
耳もとでの大声も理解できない時がある

著しく生活に支障をきたすおそれがあります。早急な補聴器の使用をおすすめします。

● 聴力レベルの推定と補聴器の必要性のコメントはあくまでも目安です。難聴(聴覚障害)の程度分類は、日本聴覚医学界難聴対策委員会の報告に基づいて記載してあります。

● 補聴器を装用することで、難聴が進行することはありません。補聴器は、個々の難聴や「聞こえ」の程度に合わせて調整(フィッティング)することが必要です。補聴器は適切なフィッティング調整により、その効果が発揮されます。しかし、装用者の「聞こえ」の状態によっては、その効果が異なる場合があります。

● 詳しくは耳鼻科の専門医もしくは補聴器取扱店にご相談ください。